【徹底解説】Windows仮想基盤構築時のライセンス設計とエディション比較 ~仮想ホスト2台+クラスタ+Windows 11 仮想ゲスト40台構成~

2025.05.16

Windows環境で仮想ホストを構築する場合、どのような構成でライセンスはどのような数と種類が必要となるのか。
昨今ライセンス体系がどんどん複雑化するため一例を作成してみました。

システム構成の概要

項目 内容
仮想ホスト 2台(レプリケーション構成、Hyper-V使用)
ストレージ 共有ストレージをSMB/iSCSIでマウント
冗長化方式 Microsoft Failover Cluster
仮想ゲスト Windows 11 Pro / Enterprise × 40台
ハイパーバイザー Hyper-V(Windows Server上)

Windows Server ライセンスの基礎知識

Microsoftは物理コア単位でライセンスを課金し、仮想マシンの数により必要なエディションが異なります

ライセンス前提ルール

ライセンス単位:1物理サーバーごとに最低16コア分必要

Standard版:2台の仮想OS権が含まれる(超える場合は追加ライセンス)

Datacenter版:仮想OSの数は無制限

Standard vs Datacenter の比較

比較項目 Standard Edition Datacenter Edition
含まれる仮想OS数 2台まで/16コアライセンスごと 無制限
ライセンス追加の必要 仮想OS 2台ごとに追加ライセンス要 不要(最初から無制限)
コスト 安価 高価
冗長化対応 対応(ただしVM数増加時に課金増) 高可用性構成向け
Live Migration対応 対応 対応

仮想ゲストが40台の場合のライセンス試算

Standard Editionで構築する場合

1ライセンス(16コア)で2VM →
40VM ÷ 2 = 20ライセンス分(×2台のホスト) = 40ライセンス分

Standardライセンス16コア×20 = 非常に高額に

現実的でない。Standardは少数VM向き

Datacenter Editionで構築する場合

各ホストに 16コア分のDatacenterライセンスを1セットずつ

→ それだけでVM数無制限

つまり、Datacenterなら「2ライセンス分」で40VMを完全カバー可能

Windows 11 仮想クライアントのライセンス

方法①:Microsoft 365 E3 / E5(推奨)

Windows 11 Enterprise + 仮想デスクトップ権(VDA)を含む

1ユーザーで最大5台まで仮想マシン利用可能

例:40VM → 最低 8ユーザー分のM365 E3/E5ライセンス

方法②:Windows VDAライセンス(サブスクリプション)

主に「物理PCなし(シンクライアント利用)」時に使う

1デバイスにつき1契約が必要

ライセンス構成のまとめ

項目ライセンス内容推奨
仮想ホスト2台 Windows Server 2022 Datacenter x 各16コア ◎(Standardは非推奨)
仮想ゲスト40台 Microsoft 365 E3/E5 x 8ユーザー or VDA
クラスタ構成 Windows標準機能で追加コスト不要

★結論とおすすめ構成

仮想マシンが40台規模となると、Windows ServerはDatacenter Edition一択です。初期コストはやや高いものの、将来的なスケーラビリティや管理効率が大幅に向上します。
ゲストとして稼働するクライアントの数によってライセンスの計算は大きく異なります。
仮想基盤となるホストのCPUのコア数をよく確認してライセンスを計算し、コスト削減を心がけましょう。

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