クラウドサービスの印象
企業にとってのクラウドサービスとは
クラウドサービスは、導入に時間と手間がかからず、ネットに繋がる環境があればどこでも利用が可能、コスト削減が期待できるなどの印象から、魔法の杖と思われている方も多いのではないでしょうか。
クラウドのコスト
導入から導入後の運用コスト
メリットが多いと思われているクラウドサービスですが、 どれくらいの費用の差が出てくるでしょうか。
オンプレミス/ハウジング/クラウドを 同条件で導入を試みた場合、試算してみると以下のようになります。
クラウド | ハウジング(仮想化) | オンプレミス | |
---|---|---|---|
マシン購入費 | ¥0 | ¥1,000,000 | ¥3,000,000 |
サービス初期費 | ¥100,000 | ¥100,000 | ¥0 |
サービス月額利用料 スペース費用 電気料金 |
¥400,000 | ¥200,000 | ¥100,000 |
運用費/月 (人件費) |
¥500,000 | ¥500,000 | ¥1,500,000 |
初年度 半年間費用 |
¥5,500,000 | ¥5,300,000 | ¥12,600,000 |
初年度 1年間費用 |
¥10,900,000 | ¥9,500,000 | ¥22,200,000 |
注)クラウド、ハウジングの運用は、提供業者に委託することを想定した試算となります。
クラウドサービスには、物理的なマシンを導入する必要が無い為、利用者側は初期投資の負担はありません。
しかし、提供者側は巨大な領域を用意し、それを利用者向けに仮想的に分割提供していく形なので、莫大な初期投資が伴います。
提供者側は、当然初期投資の回収をしなければなりませんので、それをランニング費用に乗せてくる形となります。
従って、利用期間が長ければ長いほど、クラウドは高くつく事になります。
クラウドの柔軟性
最適なシステムをクラウドで実現する
サーバの利用頻度により増減するシステムリソースですが、爆発的にアクセスが増える可能性のあるウェブサーバなど、利用頻度が急激に増えるようなケースでは当初想定していたサーバのスペックでは足りなくなり、 後にリプレースを検討しなければならない事態が起きてしまいます。
このような事態を想定して、オーバースペックのサーバを導入するとなると、初期投資に相応の負担が圧し掛かってきます。
マシンという制約があるとこのようなジレンマに陥りますが、対してクラウドでは、マシンという括りではなく、巨大なストレージ領域の一部を割り当てるような仕組みですので、制約がありません。
必要に応じて、システムリソース(CPU、メモリ、HDD)を自在に増減させることができる為、導入後も最適なシステムリソースでの運用が可能となります。
安定した運用をするための最適な選択
まとめますと、上記での議論でお解かりのとおり、システムリソースが大きく変化せず、長期間運用するシステムにクラウドは向きません。
短期間の利用であったり、小さく始めたい場合、システムリソースが大きく増減するようなシステムこそ、クラウドに適していると言えます。
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