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広域災害に備える為のSaaS

震災とBCP(事業継続計画)

今年3月に起きた「東日本大震災」では、地震、津波、停電と、文明の無力さを まざまざと見せ付けられました。
こういった災害により業務が継続できなくなってしまった場合、当事者が大きな ダメージを受ける事もさることながら、取引先の企業にもその影響は及びます。
その為、災害時の備え「BCP(事業継続計画)」を策定しているか否かは、信頼できる企業である事の判断基準になると言っても過言ではないでしょう。

未だに震災の余波に悩まされている現在、今こそ今回のケースを教訓とし、 生きたBCP対策としてSaaSの利用、データセンターの利用を考えるべきです。

設備を持たずに使える」SaaSとそのメリット

SaaSとは、ネットワークを通じてユーザーに機能を提供するサービスで、「ブラウザが使えるPCとインターネット環境があればサービスを受けられる」 「時間と場所に限定されない」という特性を持ちます。
これにより、災害時でも作業環境を復旧させやすく、SaaSアプリケーションを 使用する業務に関しては、業務を継続することができます。

例えば会社社屋が壊滅的ダメージを負い、作業環境の復旧に非常に時間がかかるような 状況でも、比較的無事な他の地域に仮事務所等を設置し、そこでSaaSアプリケーションを 使用し業務を再開するといった使い方ができます。 また、作業用データや重要なデータをクラウド上にバックアップしておけば、さらに事業継続性が増します。

SaaSのデメリット

SaaSは提供する業者の設備を利用する為、その設備にトラブルが発生した場合サービスが 停止してしまいます。
その他のデメリットとしては、自社用にカスタマイズ等を 行うことができない等の自由度の低さ等が挙げられます。

耐災害性の高いデータセンターへ

前項にて「トラブルが発生した場合サービスが停止する」とありますが、通常、 SaaSアプリケーションは幾重にもトラブル対策がとられたデータセンター内にて 稼動しております。 一般的にデータセンターは、地盤の固い地域に建設され、建物にも免震構造を持たせるなど、 地震に対して極めて強い施設ですので、地震の揺れにより建物が倒壊、機器が破損し サービスが停止するという可能性は限りなく小さくできます。 また、SaaSの利用を別としても、自社内のサーバに作業用データや重要なデータを 保管するより、データセンターを積極的に利用する方が、事業継続計画の観点から見て 疑う余地がありません。

災害対策だけに留まらず、コストを削減しつつ、事業継続計画というテーマも カバーできるという点においてデータセンターへのサーバ移設は優れた手法です。

データセンター利用のメリット

  • 高セキュリティ
  • 高速かつ安価な回線利用の享受
  • 信頼性の高い管理体制
  • 高度なスキルを持つスタッフによる保守運用(人的コストの削減)

地震と電力問題

地震そのもののダメージも無視できませんが、そこから派生する停電などの障害も 極めて大きな問題である事は今回の震災のケースで身に染みた感じがします。 地震による機器故障等で1時間程度の停電は起こるだろうと予想できても、 広範囲にわたる長期的な電力不足や停電を想定していた企業は恐らくそんなに多くは無かったと思います。

今回の東日本大震災に起因する福島第1原発の事故により、電力の供給不足を引き起こし、計画停電を実施しなければならない状況に陥ったのは記憶に新しいところですが、この電力 問題は現在も解決したとは言いがたく、再度の計画停電や不意の大停電が起こる可能性を 否定できません。

その様な状況でも、データセンターは非常用自家発電装置を持ち、発電に必要な燃料などの備蓄も 行っており、停電に対してしっかりと備えられています。また、施設によりますが、 データセンター自体が地域の重要な給電拠点になっている場合もありますので、その点においても 停電のリスクはかなり低いものになります。

身近に迫った更なる危機に備えて

この度の震災により、日本の地盤は極めて不安定な状態になりました。その為、来ると言われて 久しい「東海地震」や「関東大震災」がいつ起きてもおかしくありません。 東日本大震災の余波が続いているとはいえ、ある程度世間は日常を取り戻しつつあります。 だからこそ、今は備えを確かなものにする良い機会ではないでしょうか。