昨日2月28日日曜日。一日中青い空のもとで、そごう川口が閉店しました。
惜しくも緊急事態宣言下になってしまった閉店。
しかしそれに負けじと、朝の開店からどっとお客さんが押し寄せていました。
「いらっしゃいませ」
「ご来店ありがとうございます」
「お足元、お気をつけくださいませ」
紺碧の制服に身を包み、いちだんと大きくハキハキと、案内する警備員さんたち。
今日はエレベーター全階にくわえて、玄関の外まで警備に当たられていました。
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私は、4ヶ月前にブレーン・アシストにジョインした新入社員です。
進学以来、足かけ5年間住んだ東京を離れて、今年の2月頭に川口へ引っ越してきました。
今でも、会社の面接ではじめて川口に来たときのことを思い出します。
川口駅に着いて会社までもうすぐということころで、いったん身だしなみ確認のためにトイレに寄りました。
とにかくあがり症の自分が面接前によく使っていた対処法です。
トイレに入ると、エレベーターから廊下からトイレのヘリまで金ピカに塗られている。
なんて豪勢なんだ!と背筋が伸びるような気がしました。
そのままの背筋で面接に挑みました。
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ここ2ヶ月ほど、10階の名店街にメッセージボードが用意されていました。
正方形のふせんとペンが置いてあって、通りかかった人たちがメッセージを書いていきます。
「なくなっちゃうなんて信じられません」
「娘はそごうと同い年です」
「祖母とよく食事に来ていました」
なかには「だんだん日記みたいになってきましたが……」といいながら、2月ほとんど毎日メッセージを書きに来ていた職人も。
アジアの国々のことばで書かれたメッセージもみつけました。長く働いていた、よく寄っていたと。
とりわけしみじみとしてしまったのが、こちらのメッセージ。
「そごうができたとき私は小学生でした。
いつも夏の夕方になると、
屋上がパアッと明るくなってビアガーデンが盛り上がっているのをみて、
うらやましいなあと思っていました。」
そんな思い出話をひとつひとつ眺めながら、クーッとなっていた私。
どうしたら、私も思い出の”お仲間”に入れてもらえるかな……?
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そういえば、はじめて面接で川口に来たときに、地下1階の食品売り場に行きました。
こんな都会の地下1階にこんなに新鮮な鮮魚鮮肉が! 住める!!
当時はジュース1本買うのにも躊躇していたおサイフだったので、両目でおいしく味わいました。
自分にできることはやっぱりこれだ。最後は「おいしい生活」でいこう。
そういうわけで、食品売り場のお弁当を(ほんとうに)味わってみることにしました。
そごうさんが閉店1年前から掲げてこられたこの目標に、私も応えられたでしょうか。
そごう川口、ありがとう。