2024年末に米国でApple社の音声アシスタント「Siri」が利用者の会話を無断で録音し、
プライバシーを侵害したとして集団訴訟されていました。
Apple社は事実を認めた上で9,500万ドル(約150億円)の和解金を支払うことで合意したというニュースが最近話題になっていました。
Apple社では悪意はなかったとのことです。
マーケティングのためにプロファイルが使われることや他者に売り渡すことはなく、
利用者の広告ターゲティングのためにSiriの録音データを使用していたと主張しています。
今回のような件は、Apple社では過去に2019年にもSiriが意図せずに起動し会話内容が無断で録音されたうえに、
この音声データを委託業者に渡して、定期的に内容を分析していたということもあります。
Apple社では利用者本人の同意なく、勝手に録音していたことは事実です。
他社のデバイスやソフトウェアでも盗聴しているのではないかといった疑問は出てくると思いますが、実はこのようなことは数多く起きています。
以下は報道されていた一例ですが、
Amazon社ではAIアシスタント「Alexa」で取得した音声記録の一部をAmazonの従業員が聞いていたという報道がありました。
他にもセキュリティカメラ「Ring」では、従業員が数千本に及ぶビデオ録画を利用者に無断で視聴していたようです。
ちなみにRingの盗撮に関与した従業員は解雇されたと報道されていました。
その他、利用者の設定次第で盗聴や盗撮が可能になってしまうケースもあります。
iPhoneのライブリスニングと呼ばれるアクセシビリティ機能を有効化した場合、接続しているAirPods等からiPhoneの周囲にある音をリアルタイムで聞くことが可能になります。
Alexaでもプライバシー設定で広告や改善に関する項目を有効にしている場合、音声データが利用されてしまいます。
また、ネットワークに接続された監視カメラについても、パスワードが設定されていない場合や簡単なパスワードが設定されている場合、外部の第三者が接続するケースもあります。
「insecam」のようなサイトは、監視カメラの一般的に公開されている初期設定のIDとパスワードを利用して、日本を含む世界中のカメラ映像をリアルタイムで閲覧できます。
insecamでは随分前からインターネットに接続されたカメラの危険性を啓発することを目的として、運用しているようです。
(法的にグレーかと思いますので、ここではURL等の紹介は控えます。)
スマートデバイスは非常に便利ですが、危険性があることも知っていただきたいと思います。
ID・パスワード、各種設定によっても危険性がありますので、定期的に見直してみてはいかがでしょうか。