「脱炭素」「地球温暖化」「SDGs」「カーボンニュートラル」などなど、ネットや新聞で踊る文字やキーワード、でも、これらを見ても全くうちの会社には関係ないという中小企業の経営者の方がほとんどじゃないでしょうか?
確かに、いくら電気や燃料を使ってCO2を排出しようが、今の日本では何の法的なお咎めもないし、ましてや罰金や直接的な税負担もありません。
でも、よーく考えてみれば、節電や省エネを実行すれば確実に自社のコスト削減には繋がります。 始めるきっかけは何でもいいんじゃないかとも思うのです。
カーボンニュートラルという大きな流れは、始まりこそ地球温暖化という環境分野からでしたが、今や国家レベルだったり、カーボンクレジットなど全世界の金融機関も巻き込んだ一大ムーブメント、いわば「大きなお祭り」となってやってくるのです。
欧米ではじまったこのお祭り(騒ぎ?)も、この数年、世界の潮流に合わせ国内でも大手企業を中心にかなりの盛り上がりを見せていて、中小企業の皆さんにも山を越えてその祭囃子が少しづつ聞こえてきているのではないでしょうか?
それじゃ、中小企業が考えるカーボンニュートラルへ向けた最初の取り組みはいったい何なの?
2030年というマイルストーンの目標へ向けて、中小企業は全く関係ないの?というと、実は確実に着手をしておいたほうが良いという理由がいくつかあります。
それは、大企業だけで世の中が回っているわけではないのはご承知の通りで、カーボンニュートラルの世界にも、温室効果ガスの排出量管理のベースとなっている「GHGプロトコル」というのがあって、そこでは、サプライチェーン全体(自社の上流・下流すべて)で定量化することが定義されているのです。
ということは、大企業から見て、その上流(部品供給とか)、その下流(物流とか廃棄とか)も管理しなければならないので、大企業と取引のあるすべてのサプライチェーン中小企業は、他人事ではなく、確実にこの数年のうちに脱炭素への取り組み調査やカーボンフットプリントの数値の要求がくることになります。
ということで、まずは、自社の全社におけるCO2排出量の把握からです。例えば、電気の使用量ですが、このカーボンニュートラルの領域では、使用量(kWh)ではなくCO2排出量(t-CO2)で掲示しなければなりません。毎月の電力会社からの伝票を見てもどこにもCO2排出量などという項目はありません。使用量に排出係数というものを掛けて算出していく必要があります。
そして、この電力(Scope2)と合わせ、灯油や社有車のガソリンなど燃料による直接排出(Scope1)の「全社CO2排出量」を把握するところからはじめるとよいでしょう。
これらの数値を引用することで、当社の中小企業版SBT取得支援サービスを利用いただいて、国際的な活動認証を取得することが第一歩としてのおすすめになります。
これにより、株主や取引先などのステークホルダーや、また広く市場へESG企業としてのアピールも行うことができます。
すでに入札案件などでもSDGsや脱炭素経営についての記載が求められるシーンも見受けられ、まずは自社排出量(Scope1+2)と中小企業版SBT取得をおすすめしています。