昨今巷でよく耳にする”DX(デジタルトランスフォーメーション)”というワード。皆さんは、どのように理解していますか?
”DX”という言葉自体は、2004年スイスの学者が、「進化し続けるテクノロジーが生活をより良くしていく」とした概念が最初のお披露目のようです。
菅政権になり、デジタル大臣を立てて、国を上げてのデジタル化推進を進めていますが、経済産業省は、2017年に”DX”を次のように定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
汎用機(大型コンピュータ)全盛時から30年以上、IT業界内でエンジニア、営業、経営者として生業を立てている筆者なりにかみ砕くと、
「今まで人力で行ってきた企業活動の中で、IT技術を使うことで、人も増やすことなく売上を2倍、3倍、コストを1/2、1/4にすること」
もっと分かり易く身近な例を上げると、このコロナ禍の中、一気に普及した、テレワークが好例でしょう。
満員電車での通勤時間が無くなった上に、家に居ながらにして今までとほぼ同じことができてしまったのですから。売上は増えませんが、通勤のコスト(社員の通勤時間、通勤代)が一気に、1/4、1/5になったのです。(仕組みを導入するための機器投資、通信費は増えましたが、微々たるものです)
この仕組みを司るのが、VPN接続というIT技術です。そして、在宅で仕事をする人は、パソコン利用が前提です。
テレワークを実現する技術は、さほど目新しいものではなく、コロナ以前から取り入れて実施している企業はちらほらありました。でも部分的です。それがコロナという外圧で一気にシフトしたのです。
ではなぜ、コロナで一気にシフトしたのか?そこが、DXを語るうえで非常に重要な論点です。
「社員の安全を担保する為、企業活動を継続する為、必要に迫られて」です。
テレワークは、たまたまコロナがスイッチを入れましたが、現在の経済活動、企業活動を取り巻く環境で、デジタル技術が伴わないものはほぼ皆無と言っても過言ではないでしょうか?
つまり、企業活動を進めて行く上で、デジタル化を意識しないと、取引先からは相手にされなくなったり、販売機会を逃すということです。
次回は、別の事例を交えてご説明していきます。